<経済状況について>
質問1 わが国の経済情勢は、一昨年のアメリカの金融危機後の急激な落ち込みを脱し、ようやく上向きになってまいりました。これもエコポイント制度など自公政権が発案・実施した経済対策が大きな効果を発揮したことに加え、好調な新興国経済の影響で、アジア向け輸出が「危機水準前」を上回ってきたものと言われております。
一方、四月三十日に発表された「経済・物価情勢の展望」で日銀は、経済・物価の見通しを上方修正したものの、「世界経済は、金融危機以前の状況に戻る過程にあるわけではない」と厳しい認識を示した上で、少子高齢化や人口減少などを背景とした国内需要の減少が見込まれる中でも、実質成長率や生産性を引き上げていくことが、日本経済の重要な課題であると指摘しております。
更に、ギリシャショックからの株価の急落などの、新たな懸念材料も加わり、予断を許さない昨今の経済情勢について、財政運営の認識を伺う。
答弁(区長)⇒ 今後も経済の動向を注視しながら、時宜を逸することなく適切に対応する。
<地方財政に関わる国の動向について>
質問2 現在、国において国庫支出金の一括交付金化の議論がなされているが、交付金化の具体的な制度設計に当たっては、地方の意見を十分に踏まえることを強く要請し、今回の一括交付金化の動きが、真に地方の自由度を高め、地方財政の安定化に寄与するものとなるよう、練馬区として意見を国に申し入れすべきであると考えますが、区長の考えを伺う。
答弁(区長)⇒ 先般、内閣府副大臣に対して、交付基準を明確にすることが重要であるとの意見を送付した。なお、今後とも国の動向を注視し対応する。
<都区財政調整制度について>
質問3 昨年十二月から始まった平成二十二年度の財調協議は、財調の原資となる市町村民税法人分や特別区民税等の落ち込みなど、かつて経験したことのない大幅な税収減が見込まれるなか行われ、年度途中での減収に対する補てん措置をどのように講じるかが、協議の中心であったと仄聞しております。今後も、予断を許さない経済情勢や特別区が減収補てん債が発行できないという制度的な状況を考えると、減収対策をあらかじめ準備しておくことは極めて重要な課題であり、安定した区政運営を推進する観点から、年度途中の財源不足に対する区長の考えを伺う。
答弁(区長)⇒ 区民生活にとって、極めて大きな影響を与える重要な課題であるので、今年度の財調協議においても強く主張する。
<国民の納税意識について>
質問4 @ 税は国民が公平に負担をし、広く、国民のために社会資本整備や社会保障費・高齢者・子育て支援などあらゆるものに税金が使われていくことを、しっかりと認識をしている納税者は健全な納税者であり、すべての国民が健全な考え方であることは、非常に大切なことであります。
しかしながら、ここのところ健全な納税意識が衰退するような事が起きており、憂慮すべきことであります。
今後、区が行う納税意識高揚に向っての方針を伺う。
答弁⇒ @ 納税者の納得が得られるよう、区職員が自らを律するとともに、施策の適正な執行に努める。
A 納税意識の衰退につながる、「子ども手当」について、顕著な問題としては、在日外国人への「こども手当」の支給であり、報道で大きく取り上げられましたが、これらのことについて国民の多くの方が、自分の納めた税金が、何の縁もない外国人にまで使われてしまうという問題であります。
特に、子どもを母国に残した出稼ぎ夫婦に、子どもが4人いれば年間六十二万四千円の子ども手当が支給されるということであります。
何の為の納税なのか、税金を納める気がしない、との声も多くあります。
この様な納税意識の衰退は、国家維持に対しての極めて危険な流れであります。
働きに来ている在日外国人が、役所に殺到しているとの報道もありましたが、練馬区での外国人の申請の現状をお聞かせください。あわせて納税意識について、区長のご所見もお聞かせください。
答弁⇒ A 本件については、国で設定した基準に基づき適正に対応する。なお、今後とも、機会を捉えた啓発事業を着実に推進し、健全な納税意識の醸成に努める。
B コスト意識と事務事業の見直しについてであります。
納められた税金が、どのように使われているのか、透明性が求められますし、無駄を排除するためのコスト意識が行政に求められています。
区政を取り巻く環境は、税収減が続く財政状況や地域経済の疲弊など、将来に向けて厳しい状況が予測されます。
そうした中で区は、これまでも行政評価制度に基づき、事務事業全般について、その改廃や民間委託の推進を含め、改革・改善に努めてこられたことは、一定の評価をするものであります。
しかし、事務事業評価による事務事業の見直しについては、職員による内部評価にとどまっており、抜本的な改善には結びついていないといった声も少なからず聞くところであります。そこで、まず、区はこれまでの行政評価の取り組みをどのように捉えてきているのかお伺いいたします。
事務事業の見直しについては、区は、昨年十二月に職員に呼びかけ、組織と職員数のスリム化や、事業の廃止、統合といった歳出削減につながる具体策について緊急提案を募集されましたが、その結果どのような内容の提案があり、それらの提案を受けて今後どのように進めていかれるのか、伺う。
答弁(区長)⇒ B 本年度から、評価対象の事務事業の捉え方と評価表の様式を見直すほか、決算との更なる連携を図り、より効果的な事務事業評価に取り組む。また、職員からの緊急提案についてでありますが、提案内容を精査した上で、来年度の予算編成、組織編成等に反映する。
C 区民の視点からの事務事業の見直しを実施すると、昨日、区長は所信表明で明らかにしておりますが、その中で、第三者評価の仕組みを活用し、外部評価者による事務事業の見直しに取り組まれるという点では、一歩進んだ対応と評価するが、今回の練馬区の取り組みは、国が実施している「事業仕分け」とどのような関係になっているのか、全く別物なのか、これまでの区の取組みと何がどう違っているのかお示しください。
答弁(区長)⇒ C 今後も厳しい財政運営が懸念されるので、これまで以上に行政改革を進め、将来にわたり持続可能な区政運営の確立に向け全庁をあげ取り組む。
<(仮称)自治基本条例について>
質問5 @ 地方自治制度は、地方自治法など諸法令において、すでに細かく規定されております。また、区政運営に必要なルールは、条例や要綱など様々なかたちで、すでに一定程度整備されております。区政を推進するうえで、更に、本条例を制定する必要性の認識を伺う。
答弁(区長)⇒ @ 区政運営の基本原則を明らかにした規範となる条例を制定し、自己決定・自己責任による自治を進める自立的な練馬区の実現を目指す。
A 条例の制定にあたり、他自治体では、行政運営の仕組みや進め方について、改めて制度設計などの検討を行っている例も見受けられます。しかしながら、練馬区においては、区政運営に関する様々な事項、例えば情報公開やパブリックコメントなど、既にその仕組みや手続きについて、個別の定めがなされ、また実施もなされております。これらを総括的にわかりやすく条例にまとめ、区政運営の全体像について、区民と共有することが何よりも肝要であると考えるが所見を伺う。
答弁(区長)⇒ A 区政運営全体の基本的な原則をより分かりやすく条例化する。
B 他自治体では、市政運営基本条例やまち・ゆめ基本条例など、住民に親しみやすい名称の条例もあるようであります。本条例の内容が、これまで整備してきた仕組みを、総合的・体系的に規定するものであれば、練馬区においても、自治基本条例という名称にとらわれず、条例に規定する内容にふさわしい名称を付けたほうが、区民の方々にとって、より親しみやすい条例になると考えるが、如何か。
答弁(区長)⇒ B 親しみやすいものとなるよう検討する。
C 区民懇談会からの提言を始め、本条例の制定に関わる多様な議論がなされてきたところであり、それらの議論を受け、今後の条例制定に向けたスケジュールを伺う。
答弁(区長)⇒ C 行政改革推進プランに沿った今年度中に条例制定をめざす。
<ねりま未来プロジェクト推進構想について>
質問6 @ 「ねりま未来プロジェクト」は、昨年度策定した「練馬区基本構想」で打ち出されたもので、五つのプロジェクトから構成されているが、「推進構想」の目指すあるべき姿として、区長はどのようなイメージを描いているのか伺う。
また「練馬区の特色を最大限に活かした先導的なモデル事業」とは具体的にはどのような事業をお考えでしょうか。併せてお聞かせください。
答弁⇒ @ 今回モデル的に進める推進構想は、各プロジェクトの有機的な連携を図り、区の特徴的な資源を最大限に生かした拠点づくりを検討する。
A 「推進構想」の検討の進め方ですが、検討にあたっては、「としまえん」をその発信拠点のひとつとして位置づけると聞いています。民間所有の「としまえん」をモデル地区と設定した経緯や理由を伺う。併せて、「としまえん」の所有者である西武グループはこの「推進構想」についてどのように考えているのか。公園としての本来的な整備主体である東京都はどのような考えを持っているのか、併せてお尋ねします。
「としまえん」は首都圏でも知名度の高い名所のひとつだと私は認識しています。この「推進構想」により、「としまえん」を、その歴史を踏まえたシンボリックな場所にしてもらいたいと強く願うところですが、それについての見解をお聞かせください。
答弁⇒ A としまえんをモデル地区として想定し、関係団体や事業者との協働により検討する。また、検討状況を見守りながら、西武グループとの協議を行うこととしている。
<新産業の誘致や創業などの支援策について>
質問7 @ 国の事業所などの統計調査によれば、区内の事業所数は平成八年から十八年の十一年間で三八五八もの事業所が減少しているということであります。この間、新たに創業した事業所もありますが、現在の区内の事業所の創業数および廃業数の推移を伺う。また、区内の中小企業が、安定的に成長するためには、既存の事業者が一層元気に事業活動を行うだけではなく、地域の経済の牽引車となる元気な企業の誘致や、新規の創業者を数多く輩出させる環境整備が不可欠であるが。
答弁⇒ @ 創業件数は毎年400から500件の間で、廃業件数は、年間900件で推移している。また、中小企業が安定的に成長していくには、創業支援の更なる充実や企業の誘致に積極的に取り組む。
A 現在、練馬駅北口の産業振興会館を含めた計画と、光が丘第三小学校の新たな計画は、その様な観点からは、大きく期待できるものであり、評価をすると共に、二つの事業計画から来る、期待される企業規模や雇用、想定する事業など、お示しいただきたいと思います。特に、光が丘第三小学校の応募の状況と方向性について所見を伺う。
答弁⇒ A 区内の地場産業の強化や教育関係施設の進出を期待しており、また相当程度の企業規模や雇用が生まれることも期待している。
B 起業化セミナーの開催や融資あっせんなどの創業支援策を実施し、一定の成果を上げていることは評価しておりますが、インキュベーション施設や創業後のフォロー体制の整備など、更なる充実も必要であります。計画される新たな産業振興会館には産業振興の目的達成の為、目玉政策を行う必要があると思います。創業支援や零細企業向けのSOHOシステムなどの導入などが現在の素案には、挿入されていませんが、コンテンツインキュベーション施設などは、区が、現在まで進めてきている、産業振興の政策方針に合致している内容であり、進めるべきと私は思いますが、いかがでしょうか。
産業振興の区の役割・今後の計画についての所見を伺う。
答弁⇒ B インキュベーション施設が成功するために、一定規模の面積が確保されているので、(仮称)産業振興会館では、国際ビジネスセンター等により一部の機能を担いつつ、施設支援について検討している。また、産業振興における区の役割については、現在策定中の商工業振興計画に区の役割を的確に位置づけ、施策の推進の中で着実に対応する。
<商店街振興策について>
質問8 @ 商店街が全国的に疲弊し、区内商業も厳しい状況が続いており、空き店舗が非常に目立ちます。
このように、地域経済の存亡に関わる事態となっている中でも、商店街は地域文化の担い手として、地域の中で頑張っております。又昨年七月には、「地域商店街活性化法」が自公政権の最後の贈り物として成立されました。この法律は、商店街を支援することにより、中小の小売商業者やサービス業者に活力を促すとともに、地域住民の生活利便の向上や住民間の交流を活発化させることを通じ、商店街が「地域コミュニティの担い手」としての役割を強めることを目的としております。
更に、対応策の一つに人材育成を掲げ、商店街の人材育成を国の責務と規定するとともに、「やる気」のある商店街を強力にバックアップする「全国商店街支援センター」が発足し、商店街の事業計画づくりや人材育成、ノウハウ提供などの事業を支援することとなりました。
商店街が十分な機能を発揮できるようになることを目指し、具体的な取り組みも開始しているお聞きしています。
そこでお伺いしますが、「全国商店街支援センター」で既に取り組んでいる事業はどのような状況となっているのでしょうか。
練馬区の商店街でも、今後積極的にこのセンターを活用していくべきかと思いますが、商店街への情報提供などの具体的な取り組みを、どのように誘導していくつもりなのか、ご所見をお聞かせください。
答弁⇒ @ 練馬区商店街振興ガイドへの記載を通じ、支援事業の周知をしている。今後とも、いきいき商店街支援事業補助金などとともに、魅力ある商店街づくりの支援の一つとして積極的に周知する。
A 高齢化社会対応型商店街作りについて、高齢化社会になり、買い物に行かれない、買っても重くて持って帰れない。近くのお店が閉店してしまって、買い物が遠くなってしまったなど、地方ではこういった現象が顕著な地域もあり、大きな社会問題として取り上げられております。練馬区でも、既に現象としては存在し、高齢社会特有の商業環境になりつつあります。区では、この課題をどのようにとらえているのか、高齢者支援・地域福祉の問題と商店街の販売戦略などと絡めた、対応型商店街の誕生を進めるべきだと思いますが、ご所見をお聞かせください。
答弁⇒ A 地域に根ざした商店街づくりの振興策として、高齢者支援等とも視野に入れて総合的に検討する。
B プレミアム付き区内共通商品券の販売について、昨年は十一億円の商品券が練馬区内の市場に出回りました。区内の商店にとっては大変ありがたいことでありました。
区内商店の売上増加に寄与したこの事業は、本年も継続されることになり、我が会派は評価をしているところでありますが、売上増加に向っての商品券の扱い方が、店によりそれぞれ異なるようであります。既にモデル的な販売戦略を行って、飛躍的に売上の増加を図った商店街や店舗もあるとのことから、いい事例を多くの店舗に情報提供をしてはいかがでしょうか? 新たな施策展開や、情報提供による経営者の意識改革も、商店街活性化の一つの手法であると思いますがいかがでしょうか。厳しい商店街の売り上げ促進策のプレミアム商品券が、昨年と同様の効果を期待するには、新たに補正が必要となります。わが会派として、商店街振興策として、補正を強く望むものでありますが、あわせて、見解を伺う。
答弁⇒ B 連合会独自の販売戦略である発売記念特別セールを計画するなど、昨年以上に経営者の意識改革に取り組んでいると承知している。また、今後のプレミアム付区内共通商品券の発行については、6月の販売状況や景気などを的確に把握し、検討する。
<環境施策について>
質問9 @ 地球温暖化の問題は、年々深刻さを増していますが、北極の氷が解けるがごとく、ゆっくりと私たちの身の回りにも、近づいてくる、そんな気がする思いでおります。
温暖化による変化を止めるための対策も、国の役割、都の役割、区民に身近な区の担う役割がありますが、区が担う役割として環境施策は、現在のところ理念に傾注していると思います。
環境政策は理念も大事ですが、それだけでは進んでいかない事も確かでありますが、区の役割としての最大のテーマは家庭から排出されるCO2が対象となり、一般家庭が低炭素社会に、進んで参入する仕組みは、あらゆる補助制度から進まざるを得ません。
代表的な、太陽光発電の補助制度は事後申請制度になっていますが、全体像がしっかりつかめる事前申請で行い、区民に解りやすくしなければならないと思いますし、申請に応じての補正を組んでいく予算の弾力性が求められています。国や都との補助制度の仕組みもあるのは承知していますが、今後の申請の方針をお聞かせください。
答弁⇒ @ 温暖化対策用住宅設備への支援について、一層の助成制度の改善に努め、必要に応じて予算措置も図る。
A 一般家庭が前に向かって低炭素社会に自ら進んでいく、その道をしっかりと開いておかなければなりません。あわせて、誘導していくための施策の方向性と方針をお聞かせください。
答弁⇒ A 家庭における環境行動について、大きな経済的負担を伴う事業については、助成制度を整備するなどして普及を誘導する。
B 練馬区の特性を踏まえて温暖化対策を考える時に、地域の商店や商店街と連携した取り組みが重要であると私は考えております。これは一つの事例ですが、昨年の区内共通商品券の販売に際し、家電販売店の方が「エコ家電」の販売に力を入れ、いわばダブル販売戦略により、エコ家電の普及と売り上げの増加を実現したという話を聞きました。
消費電力の極めて少ない、LED照明などが、家庭や中小企業においても導入が望まれておりますが、そのネックは、「投資費用が大きい」ということで消極的になっているのが現実です。そこで、低炭素社会構成のために、行政としてエコ商品普及のための助成制度など、商店と連携した支援策が必要だと考えるが、所見を。
また、装飾灯のLED化など商店街活動で、温暖化対策を行う場合に、特別な支援策を設けるなど、より積極的に環境への取り組みを促進すべきと考えるが如何か。
答弁⇒ B 商店や商店街と連携した温暖化対策について、他の自治体の取り組みも参考にしながら、助成制度を含め検討する。また、LED化については、商店街の意向も踏まえながら、新たな支援のあり方を検討する。
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