商店街のおかみさんや地域住民が一緒にボランティアとして、お年寄りを迎えるミニデイサービス。
地域に根ざしたその活動をレポートする。
毎週月曜と木曜の10時から16時(冬は15時)、「北町いこいの家」では、カラオケや映画を楽しんだり、健康教室が開かれたりしている。これは、練馬区北町の「ニュー北町商店街」の加盟店(約70軒)が行っているミニデイサービスだ。
対象は、介護保険制度で「自立」と判定され、介護サービスが受けられない65歳以上の年輩者。
開始のきっかけは、専門の老人施設が近くにないことや、駅の反対側に大規模小売店が出店したこと、商店主たちが商店街の活性化も含めて、自分たちにしかできないサービスをと発案し今に至っている。
現在、登録しているボランティアは約15名、登録利用者は約50名。参加者は日によって、4人から20人で費用はお弁当代、おやつ代を含めて500円。お弁当づくりは商店街のお店に協力してもらっている。
また、ボランティアは商店街のおかみさんを中心に、月1回の定例会で役割分担を決めている。こうした取り組みは始めてで勝手がわからず、スタート前には区の専門家から指導を受けたりした。
最近は利用者のなかから「うどんづくりに挑戦しよう」とか、「ダンスなら教えてあげられるから、皆でやってみましょう」など、プログラムの提案もあり、バリエーションが出てきた。サービスに関しても、近くの医療機関と提携して健康面でのフォローをしたり、電話による生活相談にも積極的。また、高齢者や障害者などを対象にした、買い物代行サービスも現在準備中だ。
ボランティアのなかで、中心的存在として活動している村上孝子さんは、「将来は、このサービスを公共のものに発展させていきたい。当面の目標としては、ホームヘルパー2級の資格を取得しようと勉強中なんです」と、今後の活動に関して意欲を燃やしている。
【月間福祉 2001年1月号より】
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